2023年の10月にタイのチェンマイで1泊2日のトレッキングツアーに参加してきました。
youtubeやブログを見ても中々1泊2日のツアーに参加したという情報が少なく、怖いもの見たさで参加をしましたが、これが大正解!
人生で1,2を争う刺激的な経験をすることができました。
今回はツアー1日目後半の様子をご紹介します。
↓↓↓前半の様子はこちら↓↓↓
スタート前からよぎる不安
高度な運転スキルをもったカレン族とTOYOTA車のおかげで、どうにか生還することができた私たち。
やっとメインイベントの一つであるトレッキングが始まる。
日本でも登山をする私たち夫婦は気合を入れてガッツリ登山の恰好で参加をしたのだが、
そんな気合とは裏腹にsuwitの足元に視線を向けると、まさかのビーチサンダルではないか。
世の中には素足で走り回る民族だっているのだから、カレン族の彼にとっても3時間のトレッキングなんてビーサンで十分なのであろう。
そう思っていた矢先、彼から思ってもみなかった発言が。
「靴、バイクに忘れてきちゃった」
いや、忘れてきたんかいwww
先行きが不安でしかなかったが、ここまで来たらこのお茶目なガイドに命を預けるしかない。
そう自分を言い聞かせ、歩きだすのであった。
現代人がカレン族から学ぶことは多い
トレッキング中は村が近いこともあって、何度もカレン族の人々とすれ違う。
彼らの顔立ちは市内のタイ人ともまた違うことが印象的。
そんなカレン族について道中suwitが教えてくれる話は、非常に面白かったし、何より興味深いものだった。
特に印象に残っているのは、カレン族は農作物や肉を貯蔵しない話。
彼らは植物や動物の住処にお邪魔しているという考えの元、その季節ごとに最低限生きるのに必要な食料しか確保しないらしい。
収穫しすぎたら土はダメになるし、狩りをし過ぎると動物がいなくなってしまう。
昨今、SDGSで無駄をなくそう、フードロスだなんだって言われているけど、本来あるべき姿はこれなんだよなとしみじみ思った。
最新の現代文明に浸かりきっている今だからこそ、古き良き生活スタイルから学ぶことは意外と多いのかもしれない。
入浴中のバッファロー一家
トレッキングの道は舗装されてはいないものの、基本的には歩きやすい道だった。
それでもぬかるんでいる場所もあり、それが坂だとよく滑る。
それを見たsuwitが背中から物騒なマチェーテを取り出し、何やら作り始めた。
しばらく待ち「ほれっ」と差し出されたのは、なんと竹で作った即席の杖。
しかもちゃっかり先端は鋭くとがれており、魚も取れそうな鋭さ。
地面によく突き刺さるのでとても歩きやすく、そして直径1~1.5cm程度なのに非常に頑丈。
なんか、初めてsuwitが頼もしく思えたよ、ちょっとだけ。
それからしばらく歩いていると今度はsuwitが「プール!プール!」とデカい声を上げ始めた。
目線を遠くにやると小さな水たまりが見えてきた。
「またお得意のジョークか、はは、水たまりで泳げってか」
suwitはこれまでも反対の山に見えた動物を射撃するふりをしたり、ジョークをちょくちょくかましてきていた。
今回もそうだと思いてきとうにあしらっていたのだが、その「プール」に近づくと驚きの光景が。
「バッファローの群れが水たまりに浸かっている…!?」
野生のバッファローの群れが普通にその辺に居ること、穴のサイズ、プールに浸かっていること、なんかもう色々驚愕。
あげく、「入る?」と聞いてくるあたり、徹底しているsuwitなのであった。
茂みに消えゆくsuwit
「ここで休憩しよう。」
そう言われザックを降ろして休もうとしていると、suwitが何やら満面の笑顔で私にだけグーポーズをしてきた。
何のことかわからず、とりあえず休んでいると、彼が一人でどこか遠くに歩いていく。
だいたい250mくらい先だろうか、彼は葉っぱを何枚かちぎり、茂みに消えていった。
ここであのグーポーズの意味、そしてなぜ男の私に向かってそれをやったのか。
その意味は男なら察しろ、そして女性への配慮だったのだろうが、「お前もやったことあるだろ?」と見透かされた気持ちにもなった。
そう、私も経験したことがあるからだ。
私の場合は茂みの先に先約が…おっと臭い話はここまでにしよう。
suwit再び寝る
トレッキングも中盤戦。
カレン族の小さな集落に到着すると長めの休憩をすることになった。
suwitが敷居で囲われた敷地に入り、フルーツを収穫しては食べ始め、いくつかもらうことに。
「これ、suwitの家なのか…?てか手洗ってないよね?」
細かいことを気にするのはやめよう。
そして、しばしの間、村を徘徊する牛を眺めながらフルーツを食べて休憩。
ちなみにこのフルーツはあまり美味しくなかった…。
なんとものどかな音が聞こえてきて心地がいい。
風の音、牛の首についた鈴の音、ニワトリの鳴き声、人間のいびき。
人間のいびき…?
そう思い振り向くと、彼はまたしても寝ていた。
熟睡。
この時によめさんから聞いたのだが、ランチ時に私がトイレに行っている間、suwitからこんな話をされたらしい。
「昨日、飲みすぎちゃったんだよね」
そう、この男、二日酔いなのである。
普通だったらここで「おいおいおい」と怒るべき所なのかもしれないが、逆に私は安心した。
「二日酔いならこれまでの行動も合点がいく、しょうがない。」
そう思い、20分後に出発すると言っていた彼だったが、あまりにも気持ちよく寝ていたので起きるまでそっとしておくことにした。
そして40分後に目覚めた彼は言うまでもなく、とてもスッキリした表情であった。
ちなみにこの後の彼はまるで別人のようにキビキビ動くようになっていた。
ルームツアー
3時間超のトレッキングを終え、滞在先の民家に到着した。
言うまでもないが、ビーサンのsuwitは足が痛そうだった。
建物は周りにあるカレン族が住んでいるものとほぼ同じ見た目でまさに暮らし体験という感じでわくわくが止まらなかった。
世界ふしぎ発見。
キッチンとダイニング、寝室があり、いたってシンプルな作りでどこかの宮殿の様に迷う心配もなさそう。
ちなみに高床式で土足厳禁、現金でちょっとした飲み物を買ったりもできる。
トイレ・バスはというと…ちゃんとあります、外ですが。
ホラーゲームに出てくるやつw
トイレはなんと桶で水を汲んで流す水洗(?)式…!
紙は流せないのでくずかごへ、紙は持参です。
カレン族はどうやって洗うのか不明です。気になります。
シャワーは桶で水を汲んで浴びるスタイル…!
もちろんお湯なんて出ません。
シャンプーや石鹸は置いてあったので勝手に使いました。
写真だとマジモンのホラーですが、虫一匹おらず、とても清潔感がある。
ただし、灯はないのでヘッドライト必須。
この辺の持ち物はツアー会社から送られてくる持ち物リストに書いてあるので忘れなければ大丈夫。
因みに私はシャワーを浴びましたが、よめさんはボディシートやシャンプーシートで済ませていました。
寝室はこんな感じでマットレスに布団、枕、蚊帳の構成。
特に匂いや汚れがある感じはなく、こちらも綺麗に清掃してありました。
窓はないので虫は出入り自由ですが、私が行った10月は虫は殆どいませんでした。
マットレスは結構しっかりしているので、ヘルニアの私でも快適に寝ることができました。
続いてキッチン。
何やら色々と置いてある雰囲気のあるお部屋。
カレン族の方々が夕飯を準備してくれる場所で基本的には立ち入る用はない場所。
suwitが管理人として夜はここで寝ていました。
最後にダイニング。
長机があり、休憩、食事など自由に使えます。
ライトに集る巨大蛾がキモかったのでたまに電気消してました。
豪華な夕食、そして奴が現れる
カレン族の方々が振るってくれた夕食はこちら。
カオソーイやフルーツなどかなりの品目とボリュームだった。
基本的にはマーケットでの試食等を参考に作ってくれるみたいなのでご安心を。
味はめちゃくちゃ美味しかったのだが、あまりにも量が多く、残してしまったことが申し訳なかった。
真っ暗闇のタイ山中は、川の音、虫の鳴き声、獣の鳴く声など色々な音が聞こえてきて都会育ちの私たちには本当に新鮮で貴重な経験だった。
怖いから絶対に宿から離れたくなかったけどw
食事を済ませて山の音を聞いているとsuwitが話しかけてきた。
「聞こえてくる鳴き声の虫、食べると美味しいんだよ」
族だし、虫も食べるか。そう思っていると今度は何かでいっぱいの瓶を持ってきて中身を見せてくる。
ガサガサガサガサガサッ。
「無理無理無理無理無理無理…!!!!!」
中身はコオロギだった。
数年前に話題になったコオロギ食、タイ北部にあるカレン族はこれを食べる本拠地だったのである。
もちろん、試食すら拒否したけど、食べたい人は是非トライしてみてください。
私は無理です。絶対に。
食事のあとは敷地内をぶらり散歩しましたが、怖いのでさっさと退散し、20時前には寝床についていました。
これにて長い長いツアー1日目終了。
今回はここまで。
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