はじめに
緑や桃色の幻想的な光が大空を照らす自然現象、オーロラ。
死ぬまでに一度は見てみたいものの一つです。
そんな夢を叶えるため、2023~2024年の年越しにかけて北欧にオーロラ鑑賞をしに行ってきました。
勿論、そんな美しい景色を記憶だけに閉じ込めるのは勿体ないので、相棒のカメラを引き連れて撮影に挑戦してきました。
そんなマイナス30度の極限状態下で使用した装備の紹介です。
これからオーロラ見に行くよ!という方の参考に少しでもなれば嬉しいです。
撮影場所
今回私たちがオーロラ鑑賞のスポットに選んだのは、
フィンランド – イナリ。
イナリは北緯69度に位置しており、いわゆる北極圏に属する地域です。
冬のフィンランドといえば、サンタクロースがいることで有名なロヴァニエミ(北緯66度)がありますが、
それよりも北部に位置しており、よりオーロラが見えやすいと言われています。
オーロラが見えやすい一方で、ロヴァニエミと比べるとかなり田舎で本当に何もないです。笑
それでも絶対にオーロラを見るんだ!という
強い意志のもと、イナリを選びました。
撮影準備
冬のイナリは気温がマイナス25度近くまで下がり、体感温度はマイナス30度といわれています。
撮影云々の前に防寒対策をしないと普通に死にます。
それからカメラちゃんにも防寒対策をしてあげないと同様に死にます。
ということで実際に使用した装備を見ていきましょう!
防寒着
私は平熱は高めの36度後半で中肉中背。
スキーをやるので寒さには多少耐性あるが、とにかく寒いのが嫌いで、
友人にスキーの恰好を十二単(じゅうにひとえ)と弄られるほど着込んでいた過去がある。
頭
・モンベルのニット帽
・ダウンのフード
ニット帽は耳が覆えるタイプであれば何でもいいと思います。
ただし、ニット帽一枚だと寒いのでアウターのフードを上から重ねて被るのをおすすめします。
顔
・バラクラバ
・フェイスマスク
・ユニクロのネックウォーマー
バラクラバは眼だけ出た強盗する時によく使うやつ。(参考リンク)
※強盗したことないよ!
肌の露出を抑えられればいいので、安物で十分。
おすすめは頭部まで被れるやつです。(顔だけだとズレてきて鬱陶しい)
フェイスマスクはさらに防風性を上げるためだけでなく、
自分の呼気でバラクラバが凍るのを防ぐために使用します。(参考リンク)
顔部分が風を通さない素材のバラクラバで防風はできますが、
呼気で凍って冷たいし、なにより痛い。
ただ、二枚重ねで顔を隠せればいいので不織布マスク、
ネックウォーマー等で代用できると思います。
ネックウォーマーはユニクロとかで売っているものでOK
ただし、風を通さないものがいいです。
というか…
顔だけでこんなに必要?
と思った方もいるかもしれませんが、絶対必要です!
マイナス30度だと風がなくても地肌が空気に触れると、
とにかく痛くてどうにもならないです。
行動不能です。
ゆうさん(嫁さん)は上記の装備がなかったので、
分厚いスポーツタオルを顔にぐるぐる巻きにガムテープで止めていましたが、
やはりタオルの隙間の肌が痛いと言っていました。
上半身
・モンベルのメリノウールアンダーウェア(or ジオライン)
・ジオラインミドルウェア
・モンベルのフリース
・モンベルのダウン
・マムートのダウンジャケット
めちゃめちゃ着るじゃん、と思うかもしれませんが、
これくらい着ないと30分も持たないと思います。
※私たちは2~3時間外に居たが平気だった
アンダーウェアはワークマンのメリノウールとかでも代用できると思いますが、
汗かくと汗冷えするので、少し値は張りますが、
モンベルなどアウトドアメーカーのものをおすすめします。(普段使いでも優秀!)
モンベルはデザインがイケてないけど、機能性とお値段が素晴らしい!インナーなら見えないからOK!
ちなみにメリノウールはとにかく暖かいですが、
ジオラインと比べると暖かい分、透湿性が低いので汗冷えしやすいです。
逆にジオラインは透湿性は高い分、暖かさは劣ります。
登山やスキーなど激しめのスポーツをするならジオライン、
街歩き程度の運動量であれば、メリノウールでいいかなと。
アンダーウェア以外はアウトドアメーカーでなくても、
持っているものをとにかく着込めば大丈夫だと思います。
ゆうさんはユニクロのフリースとかダウン使ってました。
ちなみにマムートのダウンは防水かつめちゃくちゃ暖かいので、
2月の旭川で半袖とダウンだけで外歩きできました(最強)
高いけど…。
下半身
・メリノウールタイツ
・ユニクロのブロックテックパンツ
・モンベルダウンパンツ or スキーウェア
メリノウールタイツは必須。
ブロックテックパンツは普通のパンツで代用可。
ダウンパンツまたはスキーウェアは必須。
雪をかき分けて歩くことがあるので…。
ワークマンのダウンパンツは暖かくないのでおすすめしないです。
モンベルのダウンパンツは1万ちょいしますが、
めちゃめちゃ暖かいので是非ぜひおすすめします。
両方持ってないんだけど?
という方は、visit inariでレンタル可能。
ただし、20€/day、120€/weekするので
個人的にはダウンパンツ買っちゃうのをおすすめします。
ダウンなのでコンパクトに収納できるし、何よりめちゃくちゃ暖かいので。
ちなみにタイツとユニクロのブロックテックパンツだけだと、
ヘルシンキ市内のマイナス10度ですら、めちゃくちゃ寒かったので、非推奨。
足
・モンベルのメリノウール靴下
・ユニクロのヒートテック靴下
・コロンビアの防水トレッキングシューズ(断熱材非搭載)
靴下は重ね履きしないと指先が死にます。
靴は持っている方はスノーシューズやブーツのほうがおすすめです。
スノーシューズやブーツであれば、靴下を2重、3重と重ね履きしても入ると思うので。
※現地のフィンランド人は7枚くらい重ね履きするって言ってた…。
ちなみに北海道民Youtuberが10足くらいスノーシューズ比較して、
ノースフェイスのヌプシが一番暖かいし、可愛いのでおすすめみたいです。
我々は悩んだ挙句、持っている登山靴で挑みましたが…。
いずれにせよ雪国なので滑りにくく、防水の靴をおすすめします。
(ヘルシンキ市内などは一部雪が解けてべちゃべちゃなので)
手
・防風の5本指手袋
・雪用手袋
防風の5本指手袋はカメラを操作する際に絶対必要です。
私は毛糸の発熱手袋を使いましたが、風が冷たすぎて、1分も持たなかったです。
雪用手袋はスキーで使うもの、登山で使うものなど防水であれば何でもいいです。
ミトンタイプのほうが暖かいのでおすすめです。
ミトンタイプでおすすめはHESTRAの手袋。
デザイン性もよく、とにかく暖かい。スキーは勿論、スノボにも合うデザインです。
ゆうさんもこれ一枚で余裕そうでした。
撮影機材
カメラ
・オリンパス(現、OMシステム)のOM-D E-M5
ミラーレスタイプで防塵・防滴仕様。
雪が降った際に安心して撮影するために防滴仕様が望ましいです。
レンズ
・パナソニックのLEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4
防塵・防滴仕様のレンズです。
焦点距離が短く、空を広い範囲でフレームに収めることもできます。
理想は3.5以下と言われていますが、小さければ小さいほど、
露光時間を減らしてシャッターを早く切れるのでいいです。
思ってる以上にオーロラの移り変わりは早いです。
※10秒もすればかなり形が変わる
また、オーロラはできるだけ全体像をとらえたほうが綺麗なので
焦点距離が短く、できるだけ広角な範囲を撮影できるレンズが望ましいです。
三脚
カーボン製の軽量三脚です。
驚異の500g台!
旅行で気軽に持ち運べる軽さ。
カメラを支えることができれば、なんでもいいです。
私のカメラはミラーレスで軽量ですが、
フルサイズ一眼を支えるのは厳しいかもしれません。
予備バッテリー
・純正バッテリー x2
・サードパーティ製バッテリーx2
低温下だと消耗が著しく早いので2つくらい予備があるといいです。
撮影方法で異なると思いますが、純製で1時間、
サードパーティ製で40分くらいでした。(普段は一日余裕で持つバッテリー)
ちなみにマイナス30度という過酷な状況下なので
今後、バッテリーが本来の性能を発揮できるなくなることを覚悟してください。
実際に私はバッテリーが1個充電すらできなくなりました。
カイロ
胸ポケットに入れて予備バッテリーを温めるのに使いました。
正直、マイナス30度の外気下で手を温めるのには無力です。
防寒具(カメラ用)
リストバンドやタオルをカメラ本体に巻き付けて
カメラが外気と直接触れないようにすることで、できるだけ低温化を防ぎます。
タオルを巻くか巻かないかで体感、3割くらいバッテリーの減りが変わりました。
カメラバッグ
・ショルダーバッグ
極低温化から高温化にカメラを持ち込むと
温度差でカメラ内が結露してしまいます。
結露すると乾くまで撮影はできないし、最悪カメラが壊れます。
オーロラ鑑賞は基本的に外に出たり入ったりを繰り返すのでバッグは必須。
ちゃんとしたカメラバッグでなくても、ショルダーバッグにタオルで巻いたまま収納して
室内に持ち込んで15分ほど放置したら結露は一度もしませんでした。
カメラ用のバッグなんて余計なもの持ち歩きたくないですから…。
エアダスター
百円ショップのもので十分です。
レンズに付いた雪を払うのに使用します。
タオルやハンカチで拭くと溶けてびちょびちょになるので注意。
テープ
養生テープがおすすめ。
オーロラ撮影のためにピント合わせした後に、誤ってピントがずれるのを防ぎます。
これ、オーロラにしろ、星空にしろ超重要なので絶対に持っていきましょう。
せっかく頑張って撮影したのに部屋に戻って写真を見たらピントがずれていた…。
なんてことあったら気分が地の底に沈んでいきますから。
絶対に持っていきましょう。
実際に撮影してみて
この装備で3時間ほどぶっ通しで外で撮影することができました。
流石に2時間を超えてくると寒くなりますが、
1時間ほどであれば、マイナス30度でも余裕でした。
反省点としては、手袋が毛糸だったこと…。
地肌が出ると1分も持たないのでそれだけでかなり辛いです。
なんど手が壊死するんじゃないかと思ったことか。
素手で三脚などの金属を触るのもご法度です。
手の皮がずる剥けるかと思いました…。
ということで最後に撮影したオーロラ写真をどうぞ!
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